しまなみサイクリングのはじまり

近年、しまなみ海道でサイクリングを楽しむ人が増えてきました。

日本をはじめ海外からもたくさんの観光客のかたが訪れています。

とてもありがたいことです。

私が小学5年生のころ伯方島と大三島の間に橋が架かりました。

将来、尾道から今治まで橋でつながるということでしたが、全く想像できませんでした。当時は、しまなみ海道という言葉すらありませんでした。

何しろ隣の島というのは異国に近い存在で、年に一回フェリーに乗って大山祇神社に参拝に行くぐらいでした。

そこを自分たちの力で自転車に乗って渡れる、目を輝かせ、私は友人と一緒に自転車で大三島に渡りました。

道もわからないので、とりあえず海沿いに島を一周してみようということになりました。細いくねくねした道、漕いでも漕いでも坂、坂、坂、いつまで漕いでも終わらないように感じられました。なにしろ大三島が伯方島の3倍もあることを知りませんでした。

その小さな旅で印象に残っているのは、大三島はミヤマクワガタが多いということでした。私たちはフラフラになりながらも、楡の木を見つけてはクワガタを探していました。伯方島はコクワ、ヒラタクワガタがメインでしたので、私たちにとっては大きな発見でした。

 

あれから月日が流れ、再び自転車に乗り始めました。

そこには、はじめて自転車で大三島に渡った時のワクワクがよみがえってきました。

10代後半からはずっとエンジン付きの乗り物に乗ってきましたが、再び人力に戻ってきました。

橋が架かり、道も整備され、走りやすくなりました。まさに自転車天国です。

そこは、風を感じます。潮の香りを感じます。汗をかきます。凍えます。筋肉痛になります。喉が渇きます。おなかが減ります。雨が降ると濡れます。

車では味わえないことばかりです。

 

自転車に乗ることで、現代の便利なものに覆いかぶされた体から、本来人間が持っている生身の感覚を呼び戻すことができます。

しまなみ海道は生身の人間を受け入れるための環境が整っているように思います。ここには特別な施設があるわけではありません。

四季を感じ、人の温もりを感じ、自転車に乗ってしまなみ海道を走ることは、私にとって少年の心に戻る旅にもなりました。

春は桜、除虫菊の間を走り、夏は海岸に自転車を止めて海水浴をし、秋は山に上って紅葉を楽しみ、冬はみかん畑レモン畑の間を疾走する。

自転車は誰もが自分の心のふるさとに出合える乗り物になることでしょう。

島の外周にはブルーラインが引かれています。そのブルーラインに沿って走ると迷わず安心して島をまわることができます。

でもちょっと気になったものを見つけたらどんどん寄り道をしてみてください。島の人に話しかけてみてください。

人との交流は、旅を何倍も有意義にします。

きっとガイドブックにはない自分だけの特別なしまなみ海道が見つかるでしょう。

 

しまなみ海道写真集三部作

写真集ガイドブック「しまなみサイクリング日和」 2018.11~

写真集「島いぬ え!?私って犬だったの?」 2014.11

 

写真集「しまなみライフ 船長が撮るふるさとの子どもたち」 2011.7~ 

 

全国の書店にて発売中です。

 

 

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